「あれ、外壁がポロポロ…？」は劣化のサイン
壁の塗装がポロポロと剥がれてきたり、手で触ると白い粉がついたりしていませんか？
このような現象は、外壁塗装の“剥がれ”による劣化の初期症状です。
塗装は、見た目をきれいに保つだけでなく、雨風や紫外線から建物を守る重要な役割を果たしています。
その塗装が剥がれてしまうということは、外壁が無防備な状態になっているということ。
放置すれば雨漏りや外壁材の劣化、住宅の寿命縮小にもつながりかねません。
この記事では、外壁塗装が剥がれる主な原因と、放置することで起こるリスク、そして早めにできる対策について詳しくご紹介します。
１.外壁塗装が剥がれる「主な原因」とは？
外壁塗装が剥がれる原因は、経年劣化だけでなく、施工不良や素材との相性など複数の要因が絡み合って発生します。
■経年劣化による塗膜の寿命
塗装には寿命があります。使用する塗料の種類や外壁の材質、日当たり・気候条件によって異なりますが、一般的な塗料は約8〜15年が目安です。
年月が経つことで、
・塗膜が硬化・ひび割れを起こす
・紫外線や雨で成分が分解される
・防水、防汚効果が薄れる
といった状態になり、表面の塗料が浮いたり、剥がれたりするようになります。
■下地処理の不足・不適切な施工
新築や前回の塗装時に、下地の処理が不十分だった場合、塗料の密着性が悪くなり剥がれの原因になります。
・汚れや旧塗膜の上に直接塗った
・クラック（ひび割れ）を補修せず塗装
・高圧洗浄やケレン（削り処理）が不十分
これらがあると、新しい塗膜が下地に定着せず、早期に浮いたり剥がれたりします。
■塗料の選定ミスや素材との相性不良
外壁の材質（モルタル・窯業系サイディング・ALCなど）によって、相性の良い塗料・下塗り材が異なります。
例えば、
・サイディングに水性塗料を直塗りして密着不良に
・吸水性の高いモルタルに下塗りをせず塗装した
などは、早期の剥がれが起きやすい施工ミスの代表例です。
■結露・雨水の侵入による内側からの剥がれ
外壁材の内部に湿気や水分が入り込むと、塗膜が内側から浮き上がってくる現象が起きます。これを放置すると、塗装ではなく構造材の劣化にまでつながる恐れがあります。
２.放置するとどうなる？剥がれのリスクと影響
「ちょっと剥がれてるだけだから、まだ大丈夫」そんな油断が、建物全体の劣化スピードを早める原因に。
外壁塗装の剥がれは、初期段階では見た目が気になる程度ですが、放置すればするほど住宅の性能・資産価値に深刻な悪影響を及ぼします。
■雨水が浸入し、防水性能が低下
塗装の一番の役割は「外壁材を水や紫外線から守るバリア」です。
剥がれた箇所は、雨風や湿気にさらされやすくなり、以下のような影響が出ます：
・雨水が外壁材の内部に侵入しやすくなる
・吸水→乾燥を繰り返すことで、外壁材が劣化
・防水機能が完全に失われると、雨漏りに直結
▶特にモルタルや窯業系サイディングは、水分を吸いやすく、塗膜での防水が命です。
■カビ・コケ・藻が発生しやすくなる
塗装が剥がれると、表面に汚れが付着しやすくなり、水分も滞留します。
これがカビやコケ、藻の繁殖を招き、見た目だけでなく健康面にも悪影響を及ぼします。
・北側の壁面など日当たりが悪い場所は特に注意
・湿気がたまると、室内側の結露やカビにも波及する可能性あり
■外壁材そのものが劣化・腐食する
剥がれたままの状態で雨風にさらされ続けると、塗装の下にある外壁材（サイディング・モルタル・木材など）自体が劣化していきます。
・反りや浮き、ひび割れ、欠けなどの物理的損傷が出やすい
・木部の場合は腐食が進行し、白アリ被害につながることも
・被害が進むと、塗装ではなく「張り替え」が必要に → 高額な工事費用に発展
■美観の悪化 → 建物の印象ダウン・資産価値低下
剥がれた外壁は、色ムラ・白化・斑点のような跡が出やすくなり、建物全体の印象を大きく損ねます。
・「古びた家」「管理されていない建物」と見なされる
・賃貸や売却時に、資産価値や成約率に大きな影響
・近隣や来客からの印象にも関わる
■塗り替え・補修のコストが増える
初期段階であれば、表面の再塗装や部分補修で済むケースが多いですが、放置することで、
・外壁材の張り替え
・下地の補修・交換
・雨漏り修理
・防水シートの貼り直し
といった大掛かりな工事が必要になる場合も。
結果的に、工期・費用ともに数倍かかってしまう可能性があります。
■最悪の場合、雨漏り・内部構造の腐食へ
外壁の剥がれからの浸水を放置していると、いずれ内部の木材（柱や梁）・断熱材・天井材などが腐食・劣化してしまいます。
これにより、
・雨漏り（シミ、カビ、天井落ち）
・室内の空気環境悪化（アレルギー原因）
・耐震性の低下 → 地震時の安全性にも関わる
といった、住宅の“命”を脅かす事態にもなりかねません。
＼早期発見・早期対処がカギ！／
外壁の剥がれは、放置すればするほど「見えないところで被害が進行」していきます。
しかし、逆に言えば早い段階で気づき、適切にメンテナンスすれば、住宅は長く安全に保つことができます。
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